パオについて

 「パオ」は精神障害者の共同作業所です。
現代では、10人に1人が何らかの心の病を持つと言われています。
専門家の間では、心の病は何も特別な病気ではなく、誰でもがかかる可能性を持っていると言われてきましたが、正にその様になってきています。
その裏には、希薄になった人間関係の狭間の中で、一人悩み苦しむ姿が見えてきます。

 癒し合える関係、助け合える関係を求めて「パオ」は活動しています。
いろいろな年齢や経歴・趣味をもった人同士、お互いを認め合いながら生き甲斐や自分らしさを見つけていけたらと考えています。
そのために、プログラムには柔軟性を持っています。
楽しめることや興味のある事を中心に、レクリエーション的な活動を行っています。
その中で交友を深めたり、また、新しい事へもチャレンジできる様な、各自が参加しやすい活動形態をとっています。
その日その日の体調なども考慮しながら、無理をせず、マイペースで活動していけるようにしています。

 おもな活動内容としては、近くの市民センターの体育館を利用しての卓球、月に一度くらいはテニスをしに行くこともあります。
また、普段は室内ゲームをしたり音楽を聴いたりしています。
ボーリングやカラオケへ出掛けることもあります。
その他、興味のある人はパソコンを使ってワープロ等の練習をしていたり、ゲームをしていたりします。

 自由な雰囲気のパオですが、小さな作業所に趣味も経歴もさまざまな人たちが集まっているので、いつでも思い通りに出来るわけではありません。
そんな時でも、自分なりの過ごしやすい工夫をしていくことが大事になってきます。
そのようにして、人と人との関係作りを大切にしています。
活動の柱として、ピア・サポートがあります。
これは仲間同士のサポートと言う意味です。
普段の談話室的な時間の中で、雑談や相談をしながら過ごしています。
日によっては話すことが大変だったり、自分には興味のない話題だったりすることがあるかもしれません。
そんな時には無理をせず、自分なりの距離の取り方を心得ていかなければなりません。
こうして、自分や相手の事を考えながら、お互いが心地よく過ごせるような雰囲気を作るコツみたいなものを意識しています。
人間関係を円滑にする良いコミュニケーションをとっていけたらと考えています。
そんな思いで活動をしている場所です。

活動内容、プログラム紹介

パオは1994年4月から活動を始めた精神障害者のグループです。
パオは以下の目的に添って、下記のような活動をしています。

1.陣害者一人一人がお互いを個として尊重し、癒し合える場を作っていくことを目的とする。
2.一人一人が自らを肯定的にとらえ、生きがいや自己の発見から自らの存在を喜びとして感じられ、生きていけるような関係作りを目的とする。
3.障害者が、隔離されたり、差別されることなく、地域で安心して生活していけるような社会を、実践的に作り出していくことを目的とする。

1.創作活動
本物の文化に触れる機会を増やし、生きる楽しさや喜びを味わうこと。
そのことが精神的な栄養をたくさん補給することになり、結果的にひとりひとりが自らの生き方を含めた個の文化を形作っていくことに繋がると考えている。
既に作曲や執筆活動を行っているメンバーにプロの人達との出会いを作っていき、彼らの作品を完成させ、それらをいろんな人達へ紹介する機会も増やしていきたい。
ホームページを活用したり、幅広く活動や作品を知ってもらえるようにしていく。

2.ピア・サポート
八王子地域を越えて精神障害者同士の交流をはかっていくとともに、当事者間のピア・サポートを模索する。
ホームページやメールなど、インターネットによる精神障害者のピアサポートや障害種別を越えたピアサポートの可能性も模索していく。
また既にインターネットを活用して活動している精神科医や他の団体との連携を強化していく。
他の作業所メンバーや職員、メンバーの友達などとも様々な情報交換や支え合い、癒し合いができる場としていく。

ピア・サポートを始めた背景。
医者と患者、カウンセラーとクライエント、職員と所員といった縦構造の中で行われるさまざまな行為がある。
日本ではそういった場合、情報は概ね前者の側が一方的に握り、情報開示されることもなく、治療・教育・指導という大義名分のもとに後者が操られ続けるといった感がある。
それでも、何らかの成果が出る場合は許されるものがあるかもしれないが、そうでない場合は後者が圧倒的な不利益を被ることになる。
そういう事態を許してきた日本の現状は、後者の側にも責任がある。
最近でこそ、さまざまな権利運動が大きなうねりを作り出してきてはいるが、長年の間に築かれてきた壁は厚く、跳ね返されるばかりでハードルは高い。
人権に関 わるいろんな法律や条約ができても、日本では最終的に骨抜きにされ続けている。
医療の現場でのインフームド・コンセント(説明と同意)も誠に不十分。
カルテの開示も医学界の猛反対の前で、ままならないのが現状である。
福祉現場も同じ様な様相を呈している。
日本の福祉は、第二次世界大戦後ずっと障害者を隔離収容する政策を採ってきた。
アメリカにおけるIL運動に刺激され、身体障害者たちが自己主張を始め、施設から地域へという流れを作ってきた。
そんな流れの中で、ピア・カウンセリングが導入され、身障の世界ではもてはやされているようだ。
パオでは、カウンセリングそのものへの懐疑もあり、敢えてピア・サポートと名付け、プログラムの中心に据えている。
そういった流れは、精神障害者の世界でも断酒会やA・Aなど20数年前くらいから試みられており、こちらは自助グループ(セルフヘルプ・グループ)と言われてきた。
依存症以外の精神障害者たちのセルフヘルプ・グループも最近各所で見られるようになり、お互いの交流も盛んになってきた。
パオでは、職員も場を利用するいちメンバーと捉えており、できるだけ縦構造を廃したいと考えてきた。
当事者間で支え合える 時代が来るのを楽しみにしている。
(当事者は、精神障害者だけに限らないのは言うまでもないことである。)

3.パソコン
ホームページを活用し、福祉情報の提供を行っていく。
他団体や個人のサイトとのネットワーク作り。

4・社会参加活動
就労を希望しているメンバーの相談等を含めて、働く場の開拓、就労に結びつくような作業的な活動を模索していく。
また就労目的だけではなく、創作活動によっても社会参加出来るようにしていく。
そのために他の団体等の活動からも学び、活動に厚みを持たせていくことで社会参加する機会を増やしていく。



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